21世紀の国際社会に通用する主体的な学び手を創る
ICT化やグローバリゼーションの急激な進展で幕を開けた "Post Truth" (唯一無二の「真実」不在)の時代が、新型コロナウイルスの蔓延を経て、常態化しようとしています。
国際社会ではこの四半世紀、意味 Purpose や幸せ Happiness を問い直す動きが盛んに起こりました。私たちは今、工業化を軸に覇権争いに明け暮れた20世紀に代わり、つながりあう多様な個を基盤とする新たな時代の社会へと向かいつつあります。
一方、成熟化への「課題先進国」を自称する日本は、未だ昭和と令和が入り混じった長い遷移期にあります。中でも、先進国最低の普及度を示すICT教育が象徴するように、日本の学校の腰の重さは桁外れです。
松尾芭蕉の遺した言葉に、「不易 流行」というものがあります。
過去十数年の間、多くの学校関係者がこれを引用し、ふらふらと流されず腰を据えるよう説いてきました。一方でこの格言に、「新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質である」(新明解四字熟語辞典)とする真逆の解釈があることは、存外知られていません。
学校として、大人として、私たちが取るべき姿勢はどちらか。
首記のとおり現在は、「真実」までもが塗り替わる乱世です。そしてその変化の速さは、AI技術の成熟等によりさらに加速すると言われています。変化はあらゆる領域に「破壊と再生」を促し、「黒板とチョーク」の学校教育も根底から揺らぎつつあります。
答えは、自明です。
本校が追究してきた「問う力」は、自身と社会にとっての意味を自ら紡いでゆく力であり、変化を与する力にほかなりません。21世紀の国際社会に通用する主体的な学び手を育てるため、先人が遺した4つの校訓の下、生徒の主体性 Student Agency を原動力として、竜一の「問う教育」をさらに進化させて参ります。
保護者・地域のみなさまにおかれましても、これまで以上に教育活動にご関与いただき、実社会で先行する様々なお知恵を、生徒たちのためにお貸しいただければ幸甚です。
地域・学校・生徒の力を結集し、竜一の新たな1ページを共に描いて参りましょう。