お知らせ

1.日時:11月29日(水)13:35~15:35(含 接続確認 質疑応答)
2.講師:東京大学 小島 武仁 経済学部教授・マーケットデザインセンター長
https://www.e.u-tokyo.ac.jp/fservice/faculty/kojimafuhito/kojimafuhito-j/kojimafuhito01-j.html
3 生徒からの質問と回答
生徒からの質問:502名から質問がありました.生成AI等を用いて絞り,小島先生にご回答いただきました.
1 アルゴリズムの内容によって、望まない下方向の結果や不公平な結果が生じる可能性についての質問。
これは理屈の上での可能性としてはあり得ます。ただ使ってみると少なくとも全体として平均的には良くなっている、という場合が(私が知っている、ちゃんとデータが報告されているようなケースでは)ほとんどかと思います。
2 アルゴリズムによるマッチングがなぜ国内で普及していないのか、その理由についての質問。日本では研修医マッチ(20年ほど)や全国の認可保育園へのマッチング(の一部)など、実はそれなりに使われています。でももっと使えるのに使えてないなと思っています。いろいろ理由はありますが、その一つは単純にみんな聞いたことがなかったり試したことがなかったんじゃないかと言うものです。アメリカにおいても、マッチング理論が使われるためには経済学者たちがかなり粘り強く政策担当者に説明したり協力したりしてやっと根付いてきたと言う印象です。なので僕も頑張ろうと思ってます。
3 新たにマッチングを活用する場面として、具体的にどのような状況や分野が考えられますか?
保育園はいまけっこうたくさんの自治体と協議をして、少しずつ制度改革の成果がでてきました。他にやったら意味ありそうでかつやりたいと思うのは、公立高校の入試や高校生の就職活動とかです。(これらは比較的現在の問題点がはっきりしていて解決法も大体見つけられていると感じています)
4 日本の企業での就職において、海外の大学出身者が有利であるかどうかについての質問。
ニュースとかでの噂のレベルでは海外出身者は日本で苦戦するなんて聞いたりするのですが、少なくとも僕が見てきた周りでは、海外出身の人は日本企業からもかなり引くて数多だったように思います(ただし僕がいた大学はいわゆるエリート校が多かったのでバイアスはあるかもしれません)。最近は、むしろドル高円安の影響で特にアメリカ大学(院)卒業生を雇うのが、雇う側にとってずいぶん厳しいですね(うちの大学もこの点は悩ましく思っています。)